映画 ディープ・インパクト

ディープ・インパクトはミミ・レダーが監督、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮。ドリームワークス・パラマウント映画共同配給。一般的にはこの手のパニック映画では派手なCG演出で逃げ惑う人々の混乱などを描くことが多いが、本作では世界的な危機に陥った状況下での各登場人物の周辺の人間関係を主軸として描いている。
二ヶ月後に公開された『アルマゲドン』も先行した本作に類似しており、地球に隕石あるいは彗星が衝突するという設定も同様である。本作の起源は、フィリップ・ワイリーとエドウィン・バーマーが1933年に共著で発表したSF小説『地球最後の日』、および1951年にパラマウント映画によって製作されたその同名の映画化版である。
構想自体は1970年から存在したが、作業が進まず、計画休止状態に陥っていた。一方アーサー・C・クラークの短編SF小説『神の鉄槌』(The Hammer of God)の映画化をスティーヴン・スピルバーグ率いるドリームワークスが計画していた。

ディープ・インパクト撮影開始までの経緯

これら2つの作品はいずれも地球へ迫り来る天体の恐怖を描いているため、同時期に完成すれば激しい競合を招くことになると容易に想像できた。このため2作の製作計画は最終的に統合され、製作はザナックとブラウン、監督はスピルバーグ、配給はドリームワークス・パラマウント共同というかたちで再スタートした。新たな脚本は、1993年にブルース・ジョエル・ルービンが執筆を開始し、さらにルービンから引き継いだマイケル・トルキンによって完成された。
しかし、監督として予定されていたスピルバーグは同じ頃『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』『アミスタッド』『プライベート・ライアン』とスケジュールが埋まっており、本作に時間を割くことが非常に困難であった。
こうした事情から、彼は監督を辞退してエグゼクティブ・プロデューサー(製作総指揮)に退き、かわりにドリームワークス第一作『ピースメーカー』を監督したミミ・レダーが新たに迎え入れられた。約20年にもわたる紆余曲折を経た本作はここにきてようやく、撮影開始にこぎつけたのである。