映画 シーザーとクレオパトラ(46英)
ローマの将軍ジュリアス・シーザーはポンペイウスを破り,エジプトに侵攻してきたという話だった。エジプト人たちはローマ人に食われるとあわてふためいた。
当のシーザーはある夜,一人でスフィンクスに語りかけていた。そこに「おじいさん(Old gentleman)」と呼ぶ声がする。それはエジプトの女王クレオパトラその人だった(ヴィヴィアン・リー)。クレオパトラはまだほんの少女で,ローマ人をおそれて避難していたのだった。(そのくせ,シーザーが大スフィンクスと呼ぶ石像を「これは子猫のスフィンクス」などと言って訂正するところがおかしい)
シーザーは,ローマ人であることを明かし,怖がるクレオパトラに,ふるえていると食われるが,毅然としていれば大丈夫だと教える。
宮殿に戻ったクレオパトラは,主人然と振る舞う奴隷フタタチータに対して女王として振る舞うよう,シーザーからたたき込まれる。
いよいよローマ軍がやってきた。盛装して待ちかまえるクレオパトラとそのわきに座るシーザー。はいってきた兵士たちが「ヘイル・シーザー!」と敬礼するのを見て,クレオパトラは安心のあまりシーザーに抱きついた。
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クレオパトラには弟プトレマイオスがおり,王位を争っていた。家臣たちがローマ軍がわずか4000しかないと聞いて笑っているところにシーザーが現われた。
シーザーは王位争いを解決してみせると言い,アレクサンドリアにはいないと思われていたクレオパトラを招じ入れた。クレオパトラは小さな弟を玉座から引きずりおろし,そこに座った。少年王はシーザーに泣きついた。シーザーが少年王を傍らに引き寄せると,クレオパトラは玉座を立った。シーザーは少年王に「与えられたものは受け取れ」と言って玉座に座らせた。
しかし,共同統治を勧めるシーザーの意見をエジプト人たちは承伏せず,シーザーは兵を呼び入れなければならなかった。シーザーはみなをいったんは人質にしたが,解放した。
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クレオパトラは風呂嫌いで月に一度しかはいろうとしなかったが,フタタチータから毎日はいるようにせっつかれていた。
クレオパトラはかつて父王を助けてくれたマーク・アントニーに心を奪われていた。
町ではプトレマイオスの側近ポシナスが宮殿と港の連絡を断とうと動いていた。その動きは予想外に早く,早くも船に火をつけられていた。ところがその火が図書館に燃え移ったということでシーザーはエジプト人に消火作業を奨励した。
シーザーの身支度を手伝いに来たクレオパトラは,兜をかぶせようと月桂冠を取って,頭がはげているのを見て笑い出した。兜をかぶせてようやく「50にしかみえない。」
シーザーはエジプト人が図書館の消火に夢中になっている間に灯台の確保に向かった。
クレオパトラは灯台に行きたいが,ローマの番兵が許さなかった。そこに来た絨毯売りのアポロドロスを見て一計を案じた。見本が宮殿に運び込まれたのち,フタタチータはシーザーに絨毯の一つを送ることにした。
アポロドロスが灯台のシーザーに絨毯を届けると,中から出てきたのはクレオパトラだった。そうしているうちにエジプト人が攻めてきた。アポロドロスは沖合の船団への連絡に行くと言って海に飛び込んだ。それを見たシーザーは自分も飛び込み,クレオパトラをそのあとから投げ込ませた。
エジプト人たちは少人数で半年も宮殿を守っており,灯台から泳いで脱出までしたローマ人に感心していた。
映画 シーザーとクレオパトラあらすじ~エジプトの復讐を経て~
クレオパトラは侍女たちが無礼に笑うのを認めていた。女の口は情報源とシーザーに教えられていたのだ。そこで,シーザーの背中に乗って泳いで以来,すでに子供ではなくなったとからかわれてもほうっておいた。
ポシナスはクレオパトラを懐柔に来たが,クレオパトラがしっかりしているのを見ると,シーザーのもとに現われ,クレオパトラを裏切り者として告発した。そこにクレオパトラもやってきた。ポシナスが言うには,クレオパトラはシーザーがローマに戻ったあとで自分がエジプトを治めるつもりだとのことだった。クレオパトラはむきになって否定したが,シーザーはそれは事実だし,当然のことだと言っていた。
シーザーはポシナスをそのまま行かせたが,クレオパトラは許すことができず,フタタチータに暗殺を命じた。シーザーは何事も許しすぎると部下から思われており,クレオパトラの肩を持った。
やがて宮殿外でエジプト人たちが騒ぎ出した。ポシナスを殺すことによって,エジプト人は復讐する権利を得てしまったのだ。防ぐすべはなく,シーザーはクレオパトラに指揮をとればいいとそっけなかったが,そこにエジプトの将軍Cが現われた。
Cはシーザーの方につきたいと言った。ルフィオは信じなかったが,シーザーはミトリダテスの援軍が到着したと察した。敵方の軍がそちらに向けられ,町が暴徒だけになれば対処のしようもある。シーザーはすぐさま策を練った。
完全な勝利を上げたシーザーはいよいよローマに戻ることになった。大歓声の中,解放奴隷の息子ルフィオをエジプト総督に任命した。
最後になってクレオパトラが辛気くさい顔をして出てきた。黒づくめの喪はルフィオに殺されたフタタチータのためのものだった。ルフィオを許せばシーザーを許さないと言うクレオパトラだったが,シーザーはフタタチータを例によってトタチータと言い間違えて笑わせた。
シーザーはローマから贈り物をすると言ってなだめようとしたが,クレオパトラは,ローマにはエジプトにないものはないと言う。だが,シーザーが送るというのは,あこがれのマーク・アントニーだった。それを聞くと,クレオパトラは喜んでシーザーに抱きついた。
シーザーの船出を見送るクレオパトラは涙を浮かべずにはいられなかった。